10/2.24,11/15 2020年度 乙訓景観フォーラム

10/2,10/24,11/15 に2020年度の乙訓景観フォーラムが開催されました。
全3回の講演・現地見学を行い、川崎先生、山口先生にもご講演頂いたほか、D2谷川さん、D1田中がお話しさせて頂きましたので
その概要を田中から報告させて頂きます。

第1回 10/02 @長岡京
川崎先生講演「長岡京の景観を考える」
乙訓の景観カード鑑賞会①

初回は基調講演として、川崎先生から、市街地から西山にかけての緩やかな緑の流れや、それを背景とした景観行政についてのご講演を頂きました。長岡京の中小路市長にも来て頂くことができました。参加者の皆様からも積極的なコメントや意見があり、長岡京の将来像について、活発な議論が交わされました。


第2回 10/24 @長岡京
谷川さん講演「京都の風致行政-乙訓の風致保全の実態-」
乙訓の景観カード鑑賞会②
長岡禅塾見学

第2回には、D2の谷川さんが、京都の近代化に対する風致行政の指導実態と乙訓の風致について講演されました。風致保全のための指導内容と設計変更のプロセスを追う難しい内容でしたが、谷川さんの丁寧な説明もあり、参加者の皆様にも興味を持って聞いて頂けたようでした。


午後には長岡天満宮西側の長岡禅塾を見学させて頂きました。敷地の周縁に植樹された高木によって周辺の喧騒から離れた空間で、じっくりと見学・座禅体験をさせて頂きました。


【谷川感想】 今回,発表を通して地域の方々と広く意見交換ができ,自分の研究を他者の視点から見直す大変よい機会となりました。これからの乙訓の風景デザインを考える上でのヒントも議論のなかで得られたと思います。禅塾では,周囲の環境と調和する敷地・建築のなかで,座禅をはじめて体験しましたが,何も考えないことがこんなにも難しいものかと驚きました。庭や建物は毎日掃除されて,とてもきれいで,感動しました。このような貴重な機会をいただきましたことを,チーム乙訓代表の鵜野さんはじめ関係者の皆様に感謝いたします。


第3回 11/15 @洛西地区
山口先生講演「京の西山の風景」
田中講演「中世以前の文学にみる乙訓の風景」
大原野神社見学

第3回には、洛西地区に場所を移し、山口先生に嵯峨野における風景の生成・再編・再生の歴史的過程をぎゅっと濃縮したご講演を頂きました。また、D1田中が修論を元にした内容で、大原野から向日、山崎、淀、八幡、鳥羽まで広域的にみた風景イメージについてお話をさせて頂きました。


午後には大原野周辺のまち歩きと正法寺、大原野神社の見学をさせて頂きました。普段通り過ぎてしまう境内の中にも、様々な由緒があり歴史の舞台があり、地域との繋がりがあることを実感しました。


【田中感想】
今回、自分の研究の内容をゼミや学会以外の場所で、初めて発表させて頂き、非常に有意義な経験になりましたし、参加者の皆様にも受け入れて頂けて、一安心しています。参加者にとって初めての内容を、一回で分かりやすく話すためにどうまとめるか、と考えている中で、自分の中でもより研究への理解が深まったように思いました。
また、自分の住んでいる地域にどのような歴史があり、その中でどのような風景や文化、生活が生まれてきたかを改めて知り、共有し、実際に歩いて体験することが大事だと、改めて感じました。コロナ禍で自宅やその周辺で過ごすことが増える中で、改めて自分の住む地域に向き合うことも必要かと思い直すきっかけにもなりました。

(D1 田中)

9/12 三条デザイン・ワークショップ DAY3

9/12に三条通デザイン・ワークショップ(DWS)が開催されました。(DAY1/DAY2の報告はこちら。)

本WS事務局を務める谷川(景観設計学研究室D2)がDAY3の報告をいたします。

DAY3

ひと・まち交流館で、ハートビートプラン代表取締役 泉英明先生から、「新しい日常をつくる」と題して、ビジョンから事業化・運営までのプロセス戦略についてレクチャーをいただきました。

北浜テラスなど水都大阪の取組をはじめ、あそべるとよたプロジェクト、なんばひろば改造計画、長門湯元みらいプロジェクトなど多彩な社会実験・エリアマネジメントの実践事例をご紹介いただきました。

「ルール」ではなく「自治」で運営するマネジメントの方法や、はじまりの事業を具体化する社会実験の実施方法、エリア交通戦略の段階的検証と合意形成プロセスなど、事業性に重点を置いた数多くの実践の内容を知り、参加者の皆様も驚きを隠せない様子でした。

午後はワークショップです。まずは班のテーマごとのリサーチとコンセプト・ダイアグラムについて各班による発表が行われ、各班が詳細な調査をもとにそれぞれの切り口でアイデアを提案しました。

泉先生、山口先生、岩瀬先生からの講評と全体討議が行われました。その後、誰がプレイヤーとなるのか、どのように空間に落とし込むのかといった視点で、各班の案の課題を掘り下げ、コンセプトを実現するステップとプロセスを探るグループワークが行われました。班ごとにディスカッションを行った後、各班が発表を行いました。

最後の全体討議のなかでは、各班の発表内容について、講師陣からの講評が行われ、きめ細やかな提案へ導くヒントが提示されました。全体討議のなかでは、DAY1/DAY2の講師の中矢氏(中央復建)、清水氏(GK京都)からもDAY4に向けて示唆に富んだ意見をいただきました。

最後に写真撮影を行い、DAY3は幕を閉じました。今後もワークショップは続きます。DAY4そして成果発表会に向けて、各班の提案のさらなる進化に期待大です!

DAY3も無事に終えることができました。多大なるご協力をいただいた、三条通プロジェクトメンバーの皆様、参加者の皆様、ありがとうございました。

谷川陸(三条通DWS事務局、景観設計学分野D2)

8/5-12 あづち未来づくりプロジェクト キックオフ

 

M1の関です。近江八幡市は、全国第1号となる重要文化的景観選定(2006年)時の調査から、研究室とは関わりを続けている縁の深い地域なのだそうです。

2020年度からは「あづち未来づくり」プロジェクトが始まります。研究室で近江八幡市からの委託を受けて、2026年の安土城築城450年記念に向けて、また、県道大津能登川長浜線のバイパス整備をふまえた地域づくりのマスタープラン/アクションプランを検討することになりました。プロジェクトメンバーは、山口先生と、谷川さん(D2)、清水君(M1)と関(M1)です。

ミッションは、地域のステークホルダーの皆さんとともに、安土の地域資源と人的資源を最大限に活かすような、地域づくりの全体構想をつくり上げることです。ビジョンを描くだけでなく、それぞれのステークホルダーが「何ができるか」、アクションをともに考え、次の5年、10年の地域づくりのテーマとアクションを、アイデアブックとしてとりまとめます。がんばりたいと思います。

まず地域活動調査を開始しました。8月の5〜12日の間に、協働する地域活動団体の皆様に、一団体ずつ、じっくりインタビューをさせていただきました。

協働する地域活動団体をご紹介します(敬称略)。
・安土まちづくり協議会
・老蘇まちづくり協議会
・安土商工会
・安土山保勝会
・近江八幡観光物産協会
・西の湖ヨシ灯り展実行委員会
・あづフェス実行委員会
・沙沙貴神社
・観音正寺
・オレガノ(旧伊庭邸住宅公開ボランティア団体)
・西の湖すてーしょん

各団体の(主に代表者の)皆様からは、これまでの活動内容や現在・将来の課題、まちづくりへの想いなど熱く語っていただき、非常に充実したインタビューを行うことができました。

今後は、いただいた情報をもとに、地域づくりの構想につながるテーマを掘り下げつつ、さらに調査を進めていきます。

 

調査の最終日には遊覧船に乗り、西の湖巡りに参加させていただきました。湖上で、安土の郷土料理の「じゅんじゅん」をいただきました。湖上から夕日を拝むことはできませんでしたが、真夏の暑さを忘れさせる涼しい風が心地よく、3日間のインタビュー調査の最後に最高に贅沢な時間を味わせていただきました。

 

   

最後になりましたが、お忙しい中ヒアリングにご協力いただいた各団体さま、そしてご案内とご調整をいただきました近江八幡市安土未来づくり課の皆様、本当にありがとうございました!この場をお借りして御礼を申し上げます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(M1 関栞菜)