研究室NEWS

11月26日, 神戸市橋梁模型コンテスト2011 「最優秀賞」受賞報告

11/26土曜日、神戸市橋梁模型コンテスト2011が神戸の明石海峡大橋のふもとにある「橋の科学館」で開催されました。うちの研究室からはM2平野、駒井、M1森田、B4村野の4人がチーム「構造デザイン班」として参加し、見事「最優秀賞」を受賞することが出来ました!

橋梁模型の規定についてざっくり説明すると、総重量1.5kg以下の支間1200mで20kgの移動荷重が渡ることが出来れば、材料や構造形式は自由というものでした。

今回僕たちが作った橋は、非対称アーチと非対称張弦梁を組み合わせた形式で、互いの捻じれを相殺させるという、構造的な合理性を担保しながらも、非常にダイナミックな空間・見えを創出するという形をデザインしました。

実際に模型を作ると、力と形の関係がダイレクトに体験できるので、手を動かすたびに知らなかったことが発見できます。また、思うようにいかないことがたくさんあって、言うとやるでは大違いとはよく言ったものですが、まさにそんな感じです。各部材の接続部や、端部のディテール部分における力の流れ方はなかなかイメージしづらいものもあって、そういった部分は作って初めて体験することで物凄く勉強になります。さらに材料の性質・特性に合ったディテールを設計するのも一苦労です。実際に手を動かして、試行錯誤を繰り返す中で橋の作り方を勉強するというのは非常に知的好奇心を刺激されるもので、いい経験になりました。

僕自身は初出場で、構想から製作完了までの約2ヵ月間は研究の合間を縫いながら非常にしんどい日が続きましたが、自分たちのやりたいことをしっかり反映させた実物を作ることが出来たこと、そしてそれを大会で評価してもらえたことが非常に嬉しかったです。

そして何より、土木構造物にもデザインを付加するとこれだけ素敵な物にもなり得るんだということ、さらにそのデザインは構造と切り離す事なく成立させることが出来るんだという「構造デザイン」という考え方をこの大会と、この大会に集まった人たちに一石投じることができたことが非常に収穫だったと思います。僕はM2なので今年が最初で最後の参加になってしまいましたが、後輩達には是非とも出場を続けてもらい、今回の反省点を踏まえて(そりゃ反省点もあります。)今後とも自分たちの構造デザインの勉強としてだけでなく、外部にどんどん新しい発想•可能性を示していって欲しいです。・・・というプレッシャーを与えて終わりたいと思います(^-^)/

チームのみんなお疲れさまでした!

(平野)

 

10月30日,2011 第3回 京都大学・岐阜大学 合同卒業研究中間発表会

10月30日、岐阜大学の地域システム計画研究室と合同卒業研究中間発表会を行いました。

 

今回が3度目の合同発表会、出村先生をはじめ、去年も来ていた岐阜大の学生の方々とも再会を果たしました。

再会の喜びもつかの間、緊張感に包まれた会場の中、修士課程の学生から発表が始まりました。

その後、少しの休憩を挟んで、学部生の卒業研究の発表が行われました。

発表の進行をとりまとめる山口先生

日々の研究成果を発表するM2高山さん

わかりやすく理路整然と発表する、岐阜大学B4大井さん

実験模型を使用しながら発表するB4村野君

修士課程の学生の人達は短い時間でリサーチの深い成果を発表をしているものの、先生方からは鋭い指摘がなされていました。学部生も皆勤勉で、日頃の成果を一生懸命に発表しておりました。

今年は去年に比べて発表時間が少なく、莫大な量の研究内容の中、どのようにプレゼンテーションするか、ということを学部生、修士生含めて、かなり苦心されていたように思います。

しかし、発表テーマにもよりますが、その短い時間に発表が設定された分、研究の筋道が先まで立てられている人ほどわかりやすく明快な発表をしていたように感じられました。

 

夜は懇親会がとりおこなわれ、研究や修勝の話、何気ない日々のことを語らい、交流を深めました。

とても楽しかったのでつい写真をとることを忘れてしまいましたが・・・

なかなか会う機会のない学生達でお互いの研究のことや普段の学生生活の悩みを話すのは新鮮な経験だと思います。

 

研究のヒントは、議論はもちろんのこと、普段の何気ない会話から得られる場合も多々あります。

何気ない会話から大真面目な議論まで、活発にコミュニケーションをとっていきたいですね。

私自身も論文生の方々からたくさんのことを吸収しながら謙虚に頑張っていきたいと思います。

(大川)

 

9月19-20日,2011 「日本景観」の原点を辿るワークショップ in 奈良

9月の19日から20日にかけて,山口先生の主催で,ワークショップが開催されました。
樋口忠彦先生(前京都大学教授,現広島工大教授)を講師にお招きして,古典的名著『景観の構造』や
『日本の景観』に書かれた舞台となる場所を実際に歩いて、現地で説明していただきました。
著書を読むだけではなかなか理解できない、あるいは理解しているつもりだった難しい部分を、
実際の空間体験と併せて新しい思考と身体感覚を養いました。

巡ったのは以下の通りです。
・恭仁京跡(山城国分寺跡)
・都祁水分神社
・都祁山口神社(小山戸)
・宇太水分神社(下井足)
・宇太水分神社(古市場)
・長谷寺(初瀬)
・三輪山、大神神社
・奥明日香、稲淵
・大和三山、甘樫丘
・慈光院

参加者は現役の研究室学生(片岡、木村、村上、高山、村尾、大川)でした。
山口先生、吉村先生、専門職社会人のOB(八木さん、飯田さん)の有志の方々もご一緒していただきました。

新旧の地形図を手にして地形や水の流れ、建物の立地などを観察し、解説をお聞きしながら、
「景観を読む」とはどういったことか、という思考を深めていくことができました。
貴重な経験をさせていただきました。

それだけではなく、僕の中では、人生的な部分も勉強になりました。

夕食の時間に、樋口先生が静かな声でなにげなくおっしゃられる一つ一つの言葉が
とても心に染みました。

(大川)