9月13日-10月1日, 2011 ヨーロッパ橋巡りの旅(ドイツ編)

2011年9月13日~10月1日に研究室の学生でドイツ→ベルギー→オランダと橋巡りの旅をしてきました。メンバーは駒井・平野・森田・村野(ベルギーから合流)です。ここではドイツでのことを書きたいと思います。

ドイツではフランクフルト、ヴィースバーデン、シュツットガルト、ミュンヘン、ケルン、デュッセルドルフに行きました。飛行機の移動時間が長く疲れましたが、フランクフルトの洗練された街並みに感動してその疲れも飛んでいきました。この橋巡りの旅の記念すべき最初の橋はフランクフルトのホルバイン歩道橋です。主塔が青色でケーブルが赤色という派手な配色の橋でしたが、現代的な街並みに不思議と馴染んでいて、フランクフルトの景色を彩り豊かにしていました。

ホルバイン橋

ドイツで巡った橋は全部で20橋以上におよびましたが、ここでは特に僕が印象に残った橋を紹介します。まずはミュールアッカーにあるエンツ歩道橋。この橋は形としてはとてもシンプルですが、自然豊かな空間に上手く溶け込んでいて、まさに自然と一体化しているように思えました。川の水面に映る橋の姿がとてもきれいだったのを覚えています。

エンツ歩道橋

次の橋は全く違ったタイプで、シュツットガルトにある現代的なデザインのNesenbach Valley Bridgeです。この橋は住宅地を抜ける高速道路のトンネル部分で、頂上部の歩道橋を歩いていたところ散歩中の馬と遭遇するハプニングが。馬が歩くとさすがに少し橋が揺れていました。この時にはベルギーの構造設計事務所ネイアンドパートナーズで働いていらっしゃる日本人スタッフの方に旅に同行していただいて、橋の構造についていろいろ聞きながら橋巡りができたので、非常に濃い一日になりました。

Nesenbach Valley Bridge

最後に紹介するのは橋ではないのですが、シュツットガルトのキレスベルクタワーです。細い主塔とネットだけで4層の床を支えていて、少し不安でしたが、その迫力と奇抜な見た目は来た人を楽しませてくれます。この日は雨風が強かったので上るのにはかなり勇気がいりましたが、頂上ではシュツットガルトの自然豊かな風景が見渡せて素晴らしかったです。

もちろんこの旅行では橋だけを巡っていたわけではなく、普通の観光もしてきました。特に僕たちが楽しみにしていたのが、ミュンヘンでこの時期に行われているオクトーバーフェストで、無謀にもビール好きな現地の方々と相席でビールを飲むことに。まずそのビールジョッキの大きさに驚きました。一緒に飲んだ方々はもうすでに4杯以上飲んでいるとのこと。僕らは1杯でおなか一杯でした。ちなみにノンアルコールビールで酔っぱらってしまった経験のあるKさんはコーラでオクトーバーフェストを楽しんでいました。この2日後にベルギーに向かいドイツの旅を終えました。

オクトーバーフェスト

ドイツの橋を見て一番感じたことは、どの橋も桁が薄くて橋脚が細く見た目がすっきりしていましたが、当然渡ったときに揺れるということです。日本では地震を考慮してかなり強固に橋が作られるため、ごつい印象を受ける橋が多いですが、さすがに歩いただけで揺れる橋はほとんどないように思います。日本とは違った橋に多く出会えた上に、たくさんの現地の人と交流できたことはとても良い経験になったと思います。この経験をこれからの研究や社会に出たときに生かせていきたいと思います。

次はベルギーです!

(森田)

 

9月19-20日,2011 「日本景観」の原点を辿るワークショップ in 奈良

9月の19日から20日にかけて,山口先生の主催で,ワークショップが開催されました。
樋口忠彦先生(前京都大学教授,現広島工大教授)を講師にお招きして,古典的名著『景観の構造』や
『日本の景観』に書かれた舞台となる場所を実際に歩いて、現地で説明していただきました。
著書を読むだけではなかなか理解できない、あるいは理解しているつもりだった難しい部分を、
実際の空間体験と併せて新しい思考と身体感覚を養いました。

巡ったのは以下の通りです。
・恭仁京跡(山城国分寺跡)
・都祁水分神社
・都祁山口神社(小山戸)
・宇太水分神社(下井足)
・宇太水分神社(古市場)
・長谷寺(初瀬)
・三輪山、大神神社
・奥明日香、稲淵
・大和三山、甘樫丘
・慈光院

参加者は現役の研究室学生(片岡、木村、村上、高山、村尾、大川)でした。
山口先生、吉村先生、専門職社会人のOB(八木さん、飯田さん)の有志の方々もご一緒していただきました。

新旧の地形図を手にして地形や水の流れ、建物の立地などを観察し、解説をお聞きしながら、
「景観を読む」とはどういったことか、という思考を深めていくことができました。
貴重な経験をさせていただきました。

それだけではなく、僕の中では、人生的な部分も勉強になりました。

夕食の時間に、樋口先生が静かな声でなにげなくおっしゃられる一つ一つの言葉が
とても心に染みました。

(大川)

9月2-10日,2011 「GSDW2011」参加報告

 

 

9月の2日から10にかけて、「groundscape design workshop 2011」に、

大川雄三と玉井瑛子が参加してまいりました。

ここのワークショップは「コラボレーション」をテーマに、

土木学生だけでなく建築、歴史、都市、造園、IDなどの異分野の学生がチームを組み、

約一週間かけて各チームが競い合いながら、

まちを良くするための提案を行うという設計演習型ワークショップです。

設計の対象地は茨城県牛久市にある「シャトーカミヤ」の全敷地でした。

ワークショップの場所は東京大学工学部土木系校舎にて行われました。

各方面で著名な講師の方々からは時には厳しいご指摘もいただきながらも、

各チームが提案の密度をあげていきました。

(GSDW2011のページ) http://www.groundscape.jp/workshop2011/summary.html

 

 

以下、僕の感想です。

 

 

E班にいた私は、揉めに揉めて、正直、グループワークとしてはなかなか苦しい状況でした。

結局のところ、時間切れ、僕らの提案は予定調和のものになってしまいました。

都市における対象地の位置づけを読み取り、街に開かれた計画を行っていく上で、

各々が考えを共有することはとても難しいことがわかりました。

去年、僕はGSDW2011と同じように、

チームを組んで設計を行う九州の学生ワークショップに参加したのですが、

その時は、揺るぎなき計画コンセプトを設定するまではいっても、

なかなかうまくデザインにおちることはなく、「良い」空間が生まれない。そこが去年の課題でした。

感覚的なものをどう共有していくのか。

デザインは、当然ですが、ロジックだけで実現できるものではない。

だからといってぽんち絵だけみてこっちのほうが気持ちいい、いや気持ちよくないと揉めても

グループワークにおいては只の水掛け論である。

最終講評でヤン・ゲールについての言及があったように、そこにはやはり「感覚の論理」がある。

論理ではなく、論理”的”に共有すること。それがなかなか出来ずに悔しい思いをしました。

 

しかし、今回のワークショップを通じて、現在研究室で学んでいることもふまえて、

これから先、自分自身がどのように社会を考え、関わっていくのか、

ということはとても深く考えさせられました。

この貴重な経験を活かして、私自身の理想にむかって怖じけることなく

謙虚に向かって行きたいと思います。

 

(大川)