12月14日、2010 第10回ランドスケープ学生設計競技結果

第10回ランドスケープ学生設計競技にて、B4大川雄三とM1村上理昭が佳作を受賞しました。

設計対象地として、奈良は東大寺南大門のすぐ横にある観光バス用駐車場が選ばれ、そこを平城遷都1301年の節目にふさわしいかつ、来訪者にとっても快適に時間を過ごせる公園にせよという課題でした。

応募総数32点(遠くは東京から)の中から厳正なる審査の元8点が入選として2次審査に進み、運よくわれわれもそのプレゼンテーションに登壇させてもらうことができました。*グループではなく別々の案で。

pptによる7分の発表と5分質疑応答。

*写真はその時の様子(大川)

冒頭で、「受賞しました」と言いましたが正直最優秀を逃したという意味で負けた。そういう実感で悔しさが勝ります。

*写真は授賞式の様子(大川)

われわれがこのコンペに臨んだ背景として、都市空間を考えようとすると、そこには土木も建築も造園もひいてはIDもない。というかすべて考えないといけない。そういうことを思っていまして、景観や風景、デザインなどについて普段研究などを通して考えていることを実践し、その中で得た知見を自身の専門の研究に活かすことが必要ではないか。そのようなチャレンジで挑んだ今回のコンペ。もちろんランドスケープデザインを専門としてやっている学生にまだまだ力及ばずのところはありましたが、審査委員長の宮城先生や京大建築の岸先生らに印象付け、他にはなかった手描きドローイング力と壮大なストーリーメイキング力。コンセプトを論理立ててビジュアルで説明する力など評価していただき、今後のさまざまな活動の糧としていきたいと思っています。

(村上)

12月10日~12日、2010、第6回景観・デザイン研究発表会

12月10日~12日の3日間、東京大学にて「景観・デザイン研究発表会」が行われました。10日はシンポジウム、11日と12日は発表会というプログラムです。

 

シンポジウムは東京大学のシンボルでもある安田講堂で行われました。正門から伸びる並木道の終わりに堂々と建つその姿からは威厳が感じられますが、実際に中に入ると、それはいっそう強く感じられました。中村先生のご講演、パネルディスカッションともに非常に興味深い内容で、「もう一度人をつなげることが最大、最高のまちづくりである」、「自走力」という言葉が印象に残りました。

 

翌日からの発表会は、私自身初めての参加ということもあり緊張気味だったのですが、会場は意外にも和やかな雰囲気でした。私たちの研究室からは3名が発表しました。

 
D3 片岡さんの発表

山口先生の発表

 

社会人の方や各大学の先生方、同世代の学生の研究を本人から聴ける機会というのはめったにないので、非常に勉強になりました。また、全ての発表を集中して聴くにはまだまだ体力が足りていないということも痛感しました。これから培っていけたらと思います。

 

発表会後には懇親会もあり、この夏に「九州デザインシャレット2010」で知り合った学生や今回初めて出会った方々と交流を深めました。

 

これから修士論文を進めていく身として、ものすごく刺激を受けた3日間でした。研究内容を充実させることはもちろん、プレゼンの仕方やスライドの見せ方もこれから磨いて、学会で自信を持って発表できるくらいの研究をしていきたいと思います。

 

(西野)

 

12月9日、2010 東京建築見学(KAIT工房)、早稲田大学景観・デザイン研究室訪問

12月10日~13日に東京大学にて行われる「景観・デザイン研究発表会」に参加するため、前日に修士1年の村上さんと東京入りをして、神奈川工科大学にある建築家・石上純也氏設計の「KAIT工房」を見学しました。

建物内部全体の白と、配置された植物の色合いがなんともいえない雰囲気 です。配布資料としていただいたKAIT工房の概要には、「森の中のものづくり」というコンセプトとして設計されたと書いてあります。ガラスの側壁とトッ プライトで開放感を感じさせると同時に、巧みに配置された305本の薄い柱で水平天井を支えつつも、柱によって最低限のプライバシーを確保しています。 305本の柱のうち、中には触ると揺れる柱もあり大変驚きましたが、それは意図的であって、43本の垂直荷重用支柱と263本の耐震用吊り柱と機能が異な り、間仕切りのない構造が実現しているそうです。薄い支柱は常時引っ張り状態となっており、座屈しない設計になっています。

石上純也さんは「自然」や「気象」といったものテーマに設計を考え、また、「風景というものを空間として捉えて、それを建築にすることができないか。単純に広がる風景をつくってもそれは建築にはならず、そこで地平線、水平線という境界線を考える。風景をどのように空間にしていくことができるか」という、「風景」という主観的なものに対して非常に興味深い実践もやってこられた方です。石上さん本人が設計した実際の建築、特にこのKAIT工房を身をもって体験することは自分の願いでもありました。また、それらを実現させるために、非重力的な構造を感じさせない設計が行われ、形態には建築を「自由」にしようとする意思が感じられます。それは「サヴォア邸」のように、スマートな柱によって形態が「浮遊している」というビジョンをつくりだすような、モダニズム建築の延長のようにも感じられる一方で、そうではなく、一つの価値観で捉えることの出来ない現代を敏感に感じ取り、やはり”個人”が建築に表現しているのだろうな、という印象を受けました。設計に対する構造的なイマジネーションは、橋梁研究をしている学生にとっても非常に勉強になることだと思います。

その後、学生デザインワークショップ「九州デザインシャレット2010」でも交流のあった修士1年の岡田祐司さんに案内していただいて、岡田さんも配属されている早稲田大学の景観・デザイン研究室に少しばかりお邪魔させていただきました。発表を明日に控えた修士の方もいたり、卒業論文の中間発表を控えた学部生もいる、とても忙しい中で本当に暖かく迎えてくださいました。研究室での活動や普段の学生生活の話をしていただいたり、また、「高架橋」がテーマになった今年の景観開花コンペの作品パネルも見せていただき、貴重な時間を過ごさせていただきました。お腹がすいた頃には、みなさんで食堂で夕飯を食べて、楽しい時間を過ごしました。

早稲田大学景観研の岡田祐司さん。GSDyの代表もされています

さて、明日はいよいよ東京大学にて3日間、景観・デザイン研究発表会があります。学部4年生の自分は初めて参加しますので、期待と緊張が入り混じっています。

(大川)