3月2日-11日, 2012 国際学会参加&世界遺産調査@マレーシア

マレーシアのペナンで開催された国際学会 2nd International Conference-Workshop on Sustainable Architecture and Urban Design に木村が参加しました。論文発表は、昨年度の卒業生であるファイザさんが行いました。自身の修士論文のテーマであるシンガポール川の再生計画に関するものです。

会議参加者は、開催国であるマレーシア等の東南アジア・南アジアを中心として、イラン・トルコなどの中東、豪州、欧米と世界各国に及び、自国の都市デザインに関する研究や実施報告がなされていました。我々の研究発表に対しては活発な質疑がなされ、その後の会合でも好意的な意見を頂くなど、大変有意義な研究交流となりました。

ファイザさんの研究発表

 

会議終了後は、ペナン島市街地のジョージタウンと、マレーシア南西部のマラッカにて調査を行い、都市デザインの実態について把握しました。マラッカとジョージタウンは互いに約500kmも離れた別々の都市ですが、マラッカ海峡の歴史都市群として、共にユネスコの世界遺産に登録されています。貿易中継地として栄えた2つの街には、様々な人種、宗教、文化が共存しており、独特の雰囲気が漂っています。

どちらの都市も植民地としての歴史を持つため、西洋の歴史的建築物が港の近辺に点在しています。その他の歴史的建築物の多くは、ショップハウスと呼ばれる古い店舗兼住居です。間口は狭いが奥に長く、中庭があるなど、日本の町家と同じような特徴を持っています。ジョージタウンでは、未だ手入れが十分に行き届いていないものが多かったですが、観光地として舵を切るマラッカでは、内部をリノベーションし、カフェ等に転用されているものが目立ちました。

ペナン・ジョージタウンのショップハウス群

マラッカ川沿岸のショップハウスとプロムナード

現在のところ、現地ヘリテージトラストを中心として、建築物の保存と再生を目指した活動が行われています。都市的な展開はまだまだこれからといったところで、歴史地区に流入する自動車交通の解決などとともに、今後の戦略的な取り組みが期待されます。

(木村優介)

 

2月20日, 2012 博士論文公聴会

2012年2月20日、川崎研究室博士課程 岸本 貴博さんの博士論文公聴会が行われました。

長年、当研究室で研究に取り組まれていた岸本さんの研究生活を締めくくる集大成です。
研究室のメンバーは日々の学生生活では、博士の方々の研究内容と接する機会があまりありません。そのため、今回の発表を通して岸本さんの研究内容を具体的に知ることができ、非常に新鮮でした。

テーマは「トラス橋における構造形態の相互連関性と操作論に関わる研究」です。

博士論文の公聴会では、一人当たりの発表時間が長くとられており、内容、ボリューム共に聞き応えのある発表でした。
質疑応答の際には、公聴会に参加されていた構造工学系の研究室の河野教授から、研究の目的や解析の手法に関して、いくつかのご指摘がありました。またそこから「構造デザイン」とは何かという抽象度の高い内容にまで議論が深まり、岸本さんの個人的な見解も交えて、白熱した議論となりました。

岸本さん、博士論文大変お疲れ様でした。

(村野 文哉)

2月15日, 2012 修士論文公聴会

2012年2月15日,川崎研究室の先輩方7人の修士論文公聴会が行われました.

修士課程に入学してからの集大成です.

 

村上理昭 『近代堺海濱地における公園地経営と住宅地開発』

 

竹内隼矢 『戦前の清水における港湾都市の形成-県営埋立事業に着目して-』

 

高山恵梨子 『ため池の空間管理を巡る地域社会システムとその変遷-兵庫県稲美町天満大池を対象として-』

 

西野康弘 『神戸における水害と戦災の復興を通じた河川沿緑地の形成』

 

村尾有紀 『山の眺めの印象に関わる景観評価指標の推定と視点場の抽出』

 

駒井正樹 『橋梁構造のカウンターバランスと可動橋形式の体系化』

 

平野貴之 『水平力に対する橋梁構造システムの体系化とデザインへの展開』

 

15分という短い発表時間ではありましたが,みなさんわかりやすく堂々とした発表でした.

来年,再来年と先輩方に負けないぐらいのしっかりした発表をしたいものです.

修士論文,お疲れ様でした!

 

(中条匡臣)