12月2日、2010嵯峨野見学会(天龍寺、祇王寺、厭離庵等)

12月2日、12月とは思えない暖かさのなか、嵯峨野見学会が行われました。

山口先生に解説していただきながら、天龍寺をはじめ嵯峨野をひと歩き。

嵐山

嵯峨野の風景は、場所のイメージや文学作品の表現が、実際の構造デザインの手がかりになっている。過去の風景が、場所の記憶として残るのでなく、現代においても実際に追体験することのできる環境として継承されてきたとのことです。

普段、観光などで何気なく眺めている風景も、時代の流れの中、様々な人々の努力によって培われ、継承されてきたものである。そのような風景をただ眺めるだけでなく、場所のイメージとして継承されてきた流れや背景を考えると、面白く、奥深いものです。

しかしながら、そのような風景も近代化の中で失われつつあるように感じます。

次世代に継承していくためにも、今まで継承されてきた、その場所の持つイメージを大切にした整備やデザインを心がけたいものです。

今日は風景の面白さと奥深さを改めて感じさせられた一日でした。

同時に、勉強不足さを感じさせられ、もっと風景について勉強していきたいと思いました。

厭離庵の紅葉

厭離庵ではこじんまりとしたなか真っ赤に染まった紅葉がとても鮮やかでした。京都に住んで4年なりますが、ぜんぜん知りませんでした。せっかく京都にいるので、もっといろいろなところを散策したいものです。

(沢)

11月24日,2010 庭園見学会(成就院)

11月24日、庭園見学会が行われました。場所は清水寺にある成就院。

庭園の境界にある生垣を低くし、高台寺山に石灯籠を立てることによって庭に無限の広さを持たせているところが特徴です。

ある場所から見ると山が迫ってくるように見え、別の場所から見ると広がりをもった空間に見える、といった風に、見る場所によって庭の様子が変化するといった工夫がなされていることには驚きでした。

また、庭園に石を配置する際に石の種類だけでなく割れ目の筋も考慮されているといった、興味深いお話も聞かせて頂きました。

 

そして時間が余ったので清水寺を観光しました。

生まれて初めて清水寺に来たという平野さんは、寺から見える景色を目にし、

「清水の舞台から飛び降りたくなってくるなぁ」

と感動している様子でした。

 

今回の庭園見学会を通して、景観というものの重要性を再認識できたように思います。

(松館)

11月9日,2010 ローラン・ネイ氏 講演会

11月9日、研究室をあげてローラン・ネイ氏の講演会に参加しました。

ローラン・ネイ氏は「ちから」と「形」を同時にデザインすることで、合理的かつ斬新な構造物を生み出す構造デザイナーです。

今回の講演では、ネイ氏の手がけてきた作品を通して、構造形態を決めるプロセスを解説するという内容でした。

彼のデザインセンスの根底にあるのは自然の中に存在する形状であることなど、興味深い内容が多々あり、

構造と意匠が面白いほどスマートに収束されていく彼のデザイン力には驚くばかりでした。

講演後、ネイ氏の事務所で働いている渡邉氏に

「構造的合理性と個人的な美的嗜好のずれが起こったりしないのでしょうか?」

とたずねたところ、やはり影での努力といいますか、その最適解の模索する作業にはかなりの労力を費やすそうです。

今回の講演を踏まえて、私たち景観設計学を勉強する立場から、「構造デザイン」は単に橋梁や、ドームにとどまらず、道路線形や河川整備などにもいかせるよう努力することが大切であることがわかりました。また、一人のデザイナーが計画から完成まで通して一貫してデザインを手がけるという方式の必要性を痛切に感じました。

(駒井、平野)