8/13 夏のデザインWS 最終日

13日(土)

13:00-16:00 デザイン コアエスキスタイム
16:30作業終了
17:00 最終成果発表会

3日目は、17時の最終発表に向けて各人で設計を進めます。
お昼からは、OBの八木さん(日建設計シビル)、村上さん(日本設計)、畠中さん(三菱地所設計)、八尾さん(大日本コンサルタント)、牧田さん(平成建設)が来てくださいました。また、昨日から引き続いて大川さん(日建設計シビル)も参加してくださいました。
中には、WSのために日帰りで遠方から来て下さった方や、予定の合間を縫ってエスキスの1時間を作りだして下さった方など、それぞれ御忙しい中で駆け付けて下さいました。本当に素晴らしい先輩方です。

参加者の皆さんは、集中して17時に最終発表に向けて準備を進めます。
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17時の最終発表では、前日と同様2グループに分かれて、共有したコンセプトを述べて、参加者の7名がそれぞれデザインした空間を発表しました。木村先生にもご参加いただきました。

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最終発表の構成は、発表3分・質疑7分の計10分となっており、以下の提出物と共に発表が行われました。
(1)全体計画提案(1/500) A3 1部
(2) 提案対象区域内の設置計画提案
① 計画・整備・建築概要
② 一般図(1/100 配置図、立面図のみ)
③ イメージパース(外観パース)
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最終発表では、観光客数の推移や観光客の意識調査、京都市内へ来る人の交通量調査などの統計データを用いて、提案のターゲットを定めておりました。
また、空間の持つポテンシャルを説明するために、東山の持つ歴史や文化を調べ、その中で現在の空間を位置付ける提案も行われました。

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質疑では、
・青龍殿といった対象地と隣接する施設との関係性はどのように考えているのか。
・用いた統計データと空間提案の相関関係が説明できているか。
・維持管理を含めた空間の利用方法はどのように考えているのか。
・対象地全体の軸となるコンセプトがブレてしまっていないか。
・「京都らしさ」として舞子や歌舞伎、座禅、庭園などが提案されているが、ここでそのイベントを行う必然性は何か。
・出資事業者および市のメリットは何か。
・ターゲットはどのような属性の人々か。(観光客・地元の人という抽象度ではなく、より具体的に誰か。)
・わざわざ山頂まで来て体験するに値する価値を有しているか。
・公園や空間を構成する素材は何か。また、何故その素材を選んだのか。
など、白熱した質疑応答となり、予定時間を越えても議論が続きました。

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全員の質疑応答を終え、先生とOB、Dより講評を頂きます。
・空間デザインでは、個人の感覚的な思考や好みに左右されるのではなく、すべてが必然性によって導かれなければならない。今回は提案に必然性を有する発表が少なかった。
・パース表現の説得力が弱かった。書き込む線の強弱や表現の抽象度をしっかりと意識すれば、短時間においても説得力のある絵を描くことが出来る。
・与えられていた課題をもっと読み込むべき。実際の仕事においても、発注者の意図を読み解くことは非常に重要であり、設計課題はそこと通じる。
・ゾーニングや動線、空間の面積など、すべての線引きには根拠が必要。その点の説明や考えが不十分。
・背景や提案が課題対象地のみで閉じてしまっていた。もっと広い視野で課題を解いて設計に表現して欲しい。
・空間の必然性、唯一性を説いた中で、もっと個性的なデザインが欲しかった。あと、ユニバーサルデザインを考慮するなど、実務において必要不可欠な要素が欠落している発表が多く、その点も勉強してほしい。
・対象地の持つポテンシャルを読み解く作業が不十分。経済学のVRIO分析など、読み解き方の分析を勉強して欲しい。
など、非常に厳しく、そして各人の経験に基づく貴重なアドバイスを多く頂きました。

講評を頂いた後は懇親会です。
発表会場を懇親会会場へと変え、開始されます。
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懇親会ではOBの皆様が携わっている業務の話や、参加者の感想など、終始和やかに進んでいきます。
そして、懇親会の締めは最優秀賞の発表です。
この最優秀賞は、先生方とOB、Dによって行われた採点より決定されています。

採点の結果、最優秀賞は吉武君(B4)です!!
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ただし、点数はどの参加者も拮抗しており、この結果に一喜一憂するのではなく、今後も多くの知識と経験を蓄積させ、自分のデザインにおける核を築いて頂きたいです。参加者の皆さまお疲れ様でした。

また、今期のデザインWSは、お盆を返上して参加してくださった川崎先生、久保田先生、山口先生、そしてOBの皆様の多大な支援の下で行われました。
本当に皆さまありがとうございました。

全員ではありませんが、デザイン室にて撮影しました集合写真です。
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最後に、このWSに駆けつけて下さったOBを改めてご紹介致します。
八木さん(日建設計シビル)、村上さん(日本設計)、木村先生(京都大学)、大川さん(日建設計シビル)、畠中さん(三菱地所設計)、八尾さん(大日本コンサルタント)、牧田さん(平成建設)、金さん(竹中土木)、湯川さん(日建設計シビル)、以上の9名です。

本当にありがとうございました!!

8/12 夏のデザインWS 2日目

12日(金)

11:00 プランニング案 発表(グループ案決定)
自由時間、デザイン検討、エスキス
20:00 デザイン案 中間発表
-22:00 デザイン コアエスキスタイム
22:00 作業終了、帰宅

2日目は、昨日の指摘を各グループで修正し、そのプランニング案の発表より始まりました。
谷川(B4)、寺島(B4)、吉武(B4)の3名は
「極上の離れ」
というコンセプト。客単価の高い高級ホテル利用者を対象として、一般利用客との差別化を図り、特別な体験を狙うことを目指します。

【特徴】
・高級ホテルと提携し、その利用者のためのVIP空間(離れ)とする。地上2階、地下1階の3階構成とする。和風デザインを採用する。
・開発資金は高級ホテルが出資し、客単価の高いVIP(高級ホテル宿泊者)を対象として利益の回収を狙う。送迎はホテルが行う。
・公園と駐車場を入れ替え、公園から展望台までの動線を一般利用者とVIPで区別し、専用のアプローチを設ける。

 

続いて阿部(M1)、朱(M1)、石山(B4)、章(B4)の4名は
「東山終活」
というコンセプト。文化的・歴史的背景の豊富な東山において、「人生の終焉を迎えるのであればこの場所」と感じてもらえるような体験を誘発することを目指す。

【特徴】
・お金はなるべくかけない。
・ハイキングを楽しむ人々の休憩所(終着点)を公園に設ける。ハイキングも人生の終焉に向き合えるようなものにする。
・京都には数少ない無料駐車場がある事を利用して、車利用者の利用促進を狙う。
・自然葬・樹木葬による修景、人生を終焉としての位置づけを意識させる。
・展望台はあまり変えない。

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この後、各グループでコンセプトを修正し、個人の設計に移りました。
午後からはOBの大川さん(日建設計シビル)が駆けつけて下さり、個人のデザイン案発表が行われました。

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そこでは、これまでの方針やゾーニングに対する指摘に加えて、線引きの根拠や収容人数、空間内の細かな動線、想定される滞在時間、配置計画、各種提案されたイベントに必要な面積、そして建設費などについて議論を深めました。

ディスカッションでは
・実業の実現性.収益.
・展望台と公園と駐車場の関係
・この場所ならではの強みの分析.それをどう活かすか.
・京都という歴史都市,観光都市のポテンシャルをどう活かすか.
・市民一般への公開性や日常性と、プライベート性や非日常性の共存・バランス.
・デザイン案のインパクト
などについて、厳しい突っ込みと、指摘がなされました。

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その後も、OBの大川さんとTAが図面の作成方法や線の引き方などをアドバイスし、翌日の最終発表に備えました。

8/11 夏のデザインWS 1日目

本年度初開催! となります研究室学生(B4+M1)を対象にした,夏のデザインWS
(短期集中型演習)がはじまりました。
スタッフ,M2やDの学生によるTAのほか,研究室,先輩OBOGによるエスキスが行われています。

テーマ:将軍塚周辺空間リニューアル
目的:将軍塚周辺エリアにおいて,民間事業者との連携を考慮し,歴史都市・世界観光都市
京都に相応しい空間としてリニューアル整備を行い,公園の魅力向上,機能増進を図る。
(詳細の課題設定・設計条件は非公開)

 

8/11 夏のデザインWS 1日目
11:00 課題説明開始@デザイン室
11:40-14:30 プランニング検討,リファレンス収集
14:30- プランニング・リファレンス個人案発表
16:00- グループ ワーク(2グループ)
20:00 プランニング案 中間発表
-22:00 プランニング コアエスキスタイム
22:00 作業終了、帰宅

参加者
阿部(M1)、朱(M1)、石山(B4)、谷川(B4)、寺島(B4)、吉武(B4)、章(B4)

今年度より始まりました夏のデザインWS。
1日目は、山口先生の課題説明から始まりました。

1ー1

参加者の7名は課題の趣旨を真剣に聞き取っています。

課題説明が終わり、3時間の時間を与えられた後、個人で対象地の東山山頂公園に対するプランニング素案についてリファレンスを用いて説明しました。

個人発表の結果、「民間資金を多く投入して積極的に空間開発を行う」グループと「民間資金の投入は最小限に留めながら、公共空間の再編より利用促進を狙うグループ」の2つに分かれました。

その後はグループワークです。

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グループワーク案の中間発表では、OBの金さん(竹中土木)と湯川さん(日建設計シビル)が駆けつけて下さいました。

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先生方やOBの皆様より、提案の独自性や利用者の具体的な行動、開発に必要な資金、出資者のメリット、既存インフラを加味した条件になっているのかどうかなど、鋭い指摘が次々と飛んできます。

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久保田先生の「まだまだですね。」という言葉で締められた1日目の中間発表は、参加者にとって厳しい結果となりました。

その後、指摘を受けて22時ギリギリまでグループディスカッションが続きます。