12月2日~4日の日程で土木学会 景観デザイン研究発表会に参加・発表してきました.
シンポジウム,内藤廣先生の御講演,懇親会という充実したプログラムの中,私の発表は最終日の最後という常に緊張感をもった参加となりました.
2日に開催して頂いた若手交流会では,全国から集まった景観を学ぶ同世代と研究から日常の事までお酒を飲みながら話しました.一人ひとりの違った考え方を感じたり,一方で同じようなところで悩んでいたりと良い刺激になりました.
発表会では様々な発表を聞くなかで,目的に対しての方法論,分析がしっかりしているのかといった研究の精度,また一方で研究がどのように役に立つのかといった意義の部分が大切だと感じました.改めて研究の難しさを実感します.
研究を細かく突き詰めると同時に,景観という大きな枠組みについて考えることの大切さを感じました.内藤先生の「終わりなき未完成を生きるという覚悟.人間は弱いから完成形を求める.」というお話が印象に残っており.研究においても考え抜く,思考をとめないことが大切だと改めて思いました.しかし実行するのは容易でなく心が折れそうです.

発表の様子
発表では沢山のご指摘やコメントを頂き,もっと精進していかなければと実感しました.
研究の精度自体を高めるとともに,いかに研究を分かりやすくプレゼンできるかという,アウトプットの力ももっと磨かないとと反省です.
今回の学会は景観の本質に対して改めて深く考えなおす機会,研究の難しさを改めて実感する良い機会となりました.
また是非とも来年も参加したいと思っています.
(沢一馬)
【発表内容】
木村優介「ニューヨーク・ハイラインにおけるレールバンク制度を活用した歴史的高架橋の再利用手法」
沢 一馬「琵琶湖岸の水郷・伊庭における明治以後の水路網と水利用の変遷」
追記
土木学会 景観・デザイン委員会にて行われた,風景をつくる土木デザイン フォトコンテストの入賞作品に目を通すようにとの宿題を佐々木先生よりいただきました.興味のある方は是非ご覧ください.
風景をつくる土木デザイン フォトコンテスト
http://www.jsce.or.jp/committee/lsd/photo/index.html
2011年12月6日 3:22 PM
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ヨーロッパ橋梁巡りの旅。
書き込みが遅れましたが、今回はベルギーから合流した村野が、旅行後半のベルギー・オランダでの体験について紹介します。
ベルギーでは、旅先で事務所訪問をすることになっていたLaurent Ney率いる「Ney & Partners」の作品を中心に橋巡りをしてきました。ここでは、その中でも特に印象に残ったものをいくつかご紹介します。
まずはベルギーの「Ney & Partners」が手がけた橋を3基。

- Tervuren Footbridge
ブリュッセル郊外の田舎町テルビューレンにある歩道橋。
人や自転車の往来が激しく、人々の生活にしっかりと定着している歩道橋です。一見ねじれが発生しそうな独特なフォルムも、色彩やデティールが非常にシンプルに設計されているので、落ち着いた印象を与えています。

Knokke-Heist Footbridge
こちらは海に面した田舎町、クノッケの歩道橋。
継ぎ目の無い、曲面の美しさを全面に押し出した、どこか有機的な印象を持つ橋です。 cute!

Colledge bridge
閑静な住宅街、コルトレイクにたたずむ歩道橋。
曲線吊橋の優雅な構造と外装のマットな色彩から、どこか大人びた印象をうけました。先のクノッケの歩道橋とは対称的に、周りの風景にしっくりと溶け込んでいます。訪れたタイミングもよく、夕陽に映える良い写真が撮れました。
今回の旅では、他にも「Ney & Partners」の作品を多数見て回ったのですが、それぞれの作品作品が本当に個性豊かで、このバライティーに富んだ作風こそネイ氏の特徴であると感じました。
次にオランダの橋を2基。

Erasms Bridge
言わずと知れたロッテルダムのシンボル、エラスムス橋。
建築系の設計事務所「UN studio」が手がけた作品です。初めて目にした感想は、「で、でかい!」 予想以上のスケールに驚きました。この橋は僕が構造系の研究に携わるきっかけになった、非常に思い入れのある橋だったので、実際に目の当たりにして感慨深かったです。
アムステルダム最寄のスキポール空港近く、サンティアゴ・カラトラバが設計した三基の橋梁群。
旅の最後を締めくくるにふさわしい巨匠の作品!と意気込んで向かったのですが、メンバーそろってあまり惹かれるものがありませんでした。平原が続く田舎町の中では、一本調子のカラトラバの作品はどうにも周囲との調和が取れていない浮いた作品となっていました。
今回の旅ではヨーロッパの先進的な橋梁群を直に見て触って、本当に良い刺激となりました。
自分の中でものづくりに対する意欲が芽生える二週間でした。
旅行を企画、先導してくれたM2の駒井さん、平野さん、
2人にこき使われ、旅先で人間ナビゲーターとして奮闘してくれたM1の森田さん、ありがとうございました。
2011年11月29日 2:23 PM
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11/26土曜日、神戸市橋梁模型コンテスト2011が神戸の明石海峡大橋のふもとにある「橋の科学館」で開催されました。うちの研究室からはM2平野、駒井、M1森田、B4村野の4人がチーム「構造デザイン班」として参加し、見事「最優秀賞」を受賞することが出来ました!
橋梁模型の規定についてざっくり説明すると、総重量1.5kg以下の支間1200mで20kgの移動荷重が渡ることが出来れば、材料や構造形式は自由というものでした。
今回僕たちが作った橋は、非対称アーチと非対称張弦梁を組み合わせた形式で、互いの捻じれを相殺させるという、構造的な合理性を担保しながらも、非常にダイナミックな空間・見えを創出するという形をデザインしました。

実際に模型を作ると、力と形の関係がダイレクトに体験できるので、手を動かすたびに知らなかったことが発見できます。また、思うようにいかないことがたくさんあって、言うとやるでは大違いとはよく言ったものですが、まさにそんな感じです。各部材の接続部や、端部のディテール部分における力の流れ方はなかなかイメージしづらいものもあって、そういった部分は作って初めて体験することで物凄く勉強になります。さらに材料の性質・特性に合ったディテールを設計するのも一苦労です。実際に手を動かして、試行錯誤を繰り返す中で橋の作り方を勉強するというのは非常に知的好奇心を刺激されるもので、いい経験になりました。
僕自身は初出場で、構想から製作完了までの約2ヵ月間は研究の合間を縫いながら非常にしんどい日が続きましたが、自分たちのやりたいことをしっかり反映させた実物を作ることが出来たこと、そしてそれを大会で評価してもらえたことが非常に嬉しかったです。

そして何より、土木構造物にもデザインを付加するとこれだけ素敵な物にもなり得るんだということ、さらにそのデザインは構造と切り離す事なく成立させることが出来るんだという「構造デザイン」という考え方をこの大会と、この大会に集まった人たちに一石投じることができたことが非常に収穫だったと思います。僕はM2なので今年が最初で最後の参加になってしまいましたが、後輩達には是非とも出場を続けてもらい、今回の反省点を踏まえて(そりゃ反省点もあります。)今後とも自分たちの構造デザインの勉強としてだけでなく、外部にどんどん新しい発想•可能性を示していって欲しいです。・・・というプレッシャーを与えて終わりたいと思います(^-^)/
チームのみんなお疲れさまでした!

(平野)
2011年11月28日 7:39 PM
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