11/19 東大京大合同研究室会議
はじめまして.修士1年の河北です.
京大にて行われた東大京大合同会議について報告いたします.
11月19日に東京大学・地域デザイン研究室のみなさまと合同ゼミを行いました.
東大からは窪田先生と研究員・学生の方が11名,京大からは山口先生と学生9名が参加しました.
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前日の懇親会は,近ごろ恒例になっている(というよりイベント係(私)が恒例にしている)先斗町のダイニングバーで開催しました.山口先生からプロジェクトの紹介もあり,世代や学年を超えた交流ができました.
当日のゼミは清風荘にて行いました.清風荘は京大が所有している重要文化財です.
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プログラムは以下の通りです.
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本研究室学生の発表の様子を,東大のみなさまから頂いたコメント(抜粋)とともに紹介したいと思います.
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・近世の都市がどう近代化するか,という大きなテーマの中で,電気軌道に着目して掘り下げられているというところ,大変興味深く伺いました.
・既存の市街地における需要に応じて各都市が事業の形態を変えており,全ての事業が民営によって実現していることからも,事業として成り立たせることを前提条件に置いたそれぞれの都市の戦略が明確にあることが感じられた.
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「滋賀県山間地域における水利用に関する研究」
・小さな山村集落に存在する水利用のヒエラルキーが如何なるものかが実際の事例によって説明されており面白かった.
・簡易水道の利用が限定的で,既存の地域水源の利用が継続されているのは水道が入っても生活が変化していない点で面白いなと思いました.既存の地域水資源にも多様性や,その使い方や取水の仕方の違いなどが様々で興味深かったです.
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・指導等で伝えられた,明文化されていない,当時の行政の「京都のあるべき姿」として明らかにできると,今日の景観行政だけでなく,戦前の京都のアイデンティティも読み解けるかもしれないと感じました.
・京都という文脈強い都市の景観行政について,膨大な計画文書から実証的に解こうとしているところに熱量を感じました.景観行政の今昔がシンプルに比較できる形で明らかになると相当面白そうという気がします.
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・京都だからこその多くある紀行文から当時の風景や体験を構築し,そこから価値の把握を試みるというのは面白い.
・今回洗い出した項目から現在保全されている京都の景観を分析してみて,実際の風景に位置づけていくと,価値としてつながってきて面白い気がしました.
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「戦災復興都市計画における河川沿い緑地計画とその理論の形成過程に関する研究」
・河川沿い緑地が各都市の計画においてどのように位置づけられてきたのか,そしてそこに観光・美観のみならず,防災という観点がどれほどあったのかという点は,むしろ未だにその点が明らかになっていないことが意外であったし,それを明らかにすることは非常に重要であると思った.
・「人が住めないが生活域にある水辺空間」の考え方の方法論は,様々な思いと条件が錯綜する中で非常に難しいと思っており,過去から多く学ぶことは非常に有意義な研究と感じました.
以上となります.
地域デザイン研究室のみなさま,2日間,有意義な時間をありがとうございました!
M1 河北