10月28,29日 建設技術展近畿 2015 橋梁模型コンテスト
M2の篠崎です
建設技術展近畿 2015にて、橋梁模型コンテストが開催され、会場制作部門に、篠崎・金・水野(裕)・三輪・阿部の5人で出場しました!このコンテストには2年ぶり3回目の出場となります。
コンテストの概要としては、制作時間2時間以内に与えられた材料で橋梁の模型を作り、25kgの載荷試験に耐える、というものです。審査基準はデザイン性、軽量性、技術度などです。今年からデザイン性の配点がさらに増え、コンセプトに即した橋の名前をつけることも審査基準となりました。
…….結果は「審査員特別賞」でした。
今年度こそは最優秀を!と思い、臨んでいたため、大変悔しい思いをしました・・・。
審査員の方からの評価として「力の伝達機構が理解できなかった」との講評を受け、それが審査員特別となった理由です。
今回私たちが制作したのは”Tensegraphy”という名前の橋です。
バックミンスターフラーが発見した、テンセグリティ構造を構造部材として取り入れています。
橋の名前である”Tensegraphy”には、造形的にも興味深いテンセグリティ構造を橋の中で表現(-graphy)するという意味を込めています。テンセグリティ構造は圧縮を伝える部材同士が触れ合わず、ケーブル(たこ糸)によって空中につなぎとめられています。剛結された部分がなく、純圧縮による座屈のみに抵抗するため、非常に強く、合理的な構造となっています。
誰も見たことがない、新形式の橋を提案するというビジョンは引き継ぎながらも、どうしても2次元的に(立面から)設計を進めてしまうという一昨年の反省を踏まえ、3次元的な造形にこだわり、デザインを進めました。
結果として誕生した本橋梁は、マクロレベルにおける力の伝達の単純さのみならず、ミクロレベルでは見るものに知的興味を抱かせるような複雑性を兼ね備えた橋となり、個人的にも大変満足いく作品となりました。
個人的には3年連続の橋梁模型コンテストでした(昨年度は神戸市主催の橋梁模型コンテストでしたが)。個々人の構造力学の勉強につながるだけでなく、後輩と一緒に模型を実際に製作し、技術を伝えていくことで、研究室としても毎年成長することができているのではないかな、と感じています。
結果はどうあれ、研究室の学生で代々受け継がれている「構造デザイン」に対する思想は今後もより発展させていってほしいと思います。後輩たちが既存の枠組みにとらわれることなく、のびのびと彼らの構造デザインを表現できる機会に恵まれることを心から願っています。
(篠崎 健)