7月11日 数日前までは台風直撃を予想していましたが、
京都市は台風一過で天気は晴れ、かなり蒸し暑い1日となりました。場所は無鄰菴母屋2階です。
今回は樋口忠彦先生を迎えて、 無粼菴と野(山の辺)の景色に関する勉強会を開きました。
母屋2階からの庭の全景
無鄰菴は明治期の琵琶湖疏水開通に合わせて建てられた山県有朋の別邸で、その後の京都岡崎の別荘地、庭園群が形成されていく先駆けにもなった庭園です。
勉強会は樋口先生のメモとお話をもとに進められました。無鄰菴の庭園の眺望は、母屋側から 里から野へ、野から湖、渓流へと推移・変化していること、これらの空間変化と遠近法の関係、意匠の関係など。
樋口先生のお話を1度頭に入れた後に 色々な視点場、前景、中景、後景などに注意しながら、庭園内を皆で1度思い思いのことを話しながら歩きました。
ベストショット!!
普通の日本庭園は理想の幻想郷を描くのに対して、無鄰菴では里や山村とそこにあふれる魅力的な自然を描いている点、遠近法を用いて庭園の眺望を構成している点などから、無鄰菴という庭園の特殊性を見出すことができました。
私がその特殊性について特に驚いたのは、これらの視点を踏まえたうえで庭園を歩いたり、他の庭園を歩いた記憶を思い返したりすると、今まで見てきた庭園の景色を新しく捉えなおすことができたことです。
樋口先生、山口先生、勉強会に参加してくださった学生の皆さん、とても楽しく、有意義な勉強会でした。ありがとうございました。
今泉遼
2014年7月12日 2:05 AM
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初めまして、人気ブロガーことM1スワです。
7月7日に東近江市埋蔵文化財センターにて、伊庭の文化的景観の調査委員として調査をされている山口先生と
深町先生(京大農学部環境デザイン研)を中心に、有志の学生をまじえた合同勉強会が開かれました。
この会には教育委員会事務局文化財課の嶋田さまにも参加していただき、
「伊庭の文化的景観の価値評価と保全再生の道筋について」をテーマに討論しました。
まずは山口先生の発表「伊庭の文化的景観の価値について」
まず文化的景観という制度的に守ろうとする価値について中国の麗江古城や、高島市の針江や海津を
例に説明されました。
そして「文化的景観の価値とは何か」「伊庭における風景の保存再生のあり方とは何か」
という問題意識につながります。
原風景の再生なのか、誰によってのものなのか、その意義は何なのか、どうすれば可能なのか
という問題提起から討論がスタートしました。
次にM2中条さんの発表「住民参画促進計画」(昨年の公共政策コンペの内容)
①生活利用の伴わない文化的景観
②まちづくりへの住民参加の偏り
という2つの課題を設定してセミパブリックライフをテーマに場所や参加のデザインを提案しました。
これは文化的景観の構成要素である「生業」について、住民がどのように水路を利用できるか
学生の視点から考えたものでした。
学生たちが「伊庭に来て感じていること」を話しあったり、
先生方や嶋田さんの意見を交えたりしながら討論が進みました。
山口先生の「いろんな種をどうするか、それが文化的景観の醍醐味」という言葉や
深町先生の「変わってはいけないものを押さえて、柔軟な動きができるように制度を使う」
といった言葉がとても印象的でした。
針江との比較や、モロコといった生態系・水路を介した生活から伊庭特有の文化・土壌を読み、
どのように制度・仕組みづくりにくみこんでいくかというところにまで踏み込んで議論ができました。
文化的景観や生態系に関する調査は今後も続いていくので、伊庭の動向に注目です。
また、このような他流試合的な勉強会は刺激になる部分が多いので、これから盛り上げていきましょう。
(諏訪淑也)
2014年7月10日 12:34 AM
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