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9/12 三条デザイン・ワークショップ DAY3

9/12に三条通デザイン・ワークショップ(DWS)が開催されました。(DAY1/DAY2の報告はこちら。)

本WS事務局を務める谷川(景観設計学研究室D2)がDAY3の報告をいたします。

DAY3

ひと・まち交流館で、ハートビートプラン代表取締役 泉英明先生から、「新しい日常をつくる」と題して、ビジョンから事業化・運営までのプロセス戦略についてレクチャーをいただきました。

北浜テラスなど水都大阪の取組をはじめ、あそべるとよたプロジェクト、なんばひろば改造計画、長門湯元みらいプロジェクトなど多彩な社会実験・エリアマネジメントの実践事例をご紹介いただきました。

「ルール」ではなく「自治」で運営するマネジメントの方法や、はじまりの事業を具体化する社会実験の実施方法、エリア交通戦略の段階的検証と合意形成プロセスなど、事業性に重点を置いた数多くの実践の内容を知り、参加者の皆様も驚きを隠せない様子でした。

午後はワークショップです。まずは班のテーマごとのリサーチとコンセプト・ダイアグラムについて各班による発表が行われ、各班が詳細な調査をもとにそれぞれの切り口でアイデアを提案しました。

泉先生、山口先生、岩瀬先生からの講評と全体討議が行われました。その後、誰がプレイヤーとなるのか、どのように空間に落とし込むのかといった視点で、各班の案の課題を掘り下げ、コンセプトを実現するステップとプロセスを探るグループワークが行われました。班ごとにディスカッションを行った後、各班が発表を行いました。

最後の全体討議のなかでは、各班の発表内容について、講師陣からの講評が行われ、きめ細やかな提案へ導くヒントが提示されました。全体討議のなかでは、DAY1/DAY2の講師の中矢氏(中央復建)、清水氏(GK京都)からもDAY4に向けて示唆に富んだ意見をいただきました。

最後に写真撮影を行い、DAY3は幕を閉じました。今後もワークショップは続きます。DAY4そして成果発表会に向けて、各班の提案のさらなる進化に期待大です!

DAY3も無事に終えることができました。多大なるご協力をいただいた、三条通プロジェクトメンバーの皆様、参加者の皆様、ありがとうございました。

谷川陸(三条通DWS事務局、景観設計学分野D2)

8/5-12 あづち未来づくりプロジェクト キックオフ

 

M1の関です。近江八幡市は、全国第1号となる重要文化的景観選定(2006年)時の調査から、研究室とは関わりを続けている縁の深い地域なのだそうです。

2020年度からは「あづち未来づくり」プロジェクトが始まります。研究室で近江八幡市からの委託を受けて、2026年の安土城築城450年記念に向けて、また、県道大津能登川長浜線のバイパス整備をふまえた地域づくりのマスタープラン/アクションプランを検討することになりました。プロジェクトメンバーは、山口先生と、谷川さん(D2)、清水君(M1)と関(M1)です。

ミッションは、地域のステークホルダーの皆さんとともに、安土の地域資源と人的資源を最大限に活かすような、地域づくりの全体構想をつくり上げることです。ビジョンを描くだけでなく、それぞれのステークホルダーが「何ができるか」、アクションをともに考え、次の5年、10年の地域づくりのテーマとアクションを、アイデアブックとしてとりまとめます。がんばりたいと思います。

まず地域活動調査を開始しました。8月の5〜12日の間に、協働する地域活動団体の皆様に、一団体ずつ、じっくりインタビューをさせていただきました。

協働する地域活動団体をご紹介します(敬称略)。
・安土まちづくり協議会
・老蘇まちづくり協議会
・安土商工会
・安土山保勝会
・近江八幡観光物産協会
・西の湖ヨシ灯り展実行委員会
・あづフェス実行委員会
・沙沙貴神社
・観音正寺
・オレガノ(旧伊庭邸住宅公開ボランティア団体)
・西の湖すてーしょん

各団体の(主に代表者の)皆様からは、これまでの活動内容や現在・将来の課題、まちづくりへの想いなど熱く語っていただき、非常に充実したインタビューを行うことができました。

今後は、いただいた情報をもとに、地域づくりの構想につながるテーマを掘り下げつつ、さらに調査を進めていきます。

 

調査の最終日には遊覧船に乗り、西の湖巡りに参加させていただきました。湖上で、安土の郷土料理の「じゅんじゅん」をいただきました。湖上から夕日を拝むことはできませんでしたが、真夏の暑さを忘れさせる涼しい風が心地よく、3日間のインタビュー調査の最後に最高に贅沢な時間を味わせていただきました。

 

   

最後になりましたが、お忙しい中ヒアリングにご協力いただいた各団体さま、そしてご案内とご調整をいただきました近江八幡市安土未来づくり課の皆様、本当にありがとうございました!この場をお借りして御礼を申し上げます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(M1 関栞菜)

  

  

8/9-10 三条通デザイン・ワークショップ DAY1&2

8/9(日),10(月祝)に三条通デザイン・ワークショップ(DWS)が開催されました。

全体4日間のWSのうち、DAY1&2になります(プログラムはチラシをご覧ください)。

本ワークショップは、三条通エリアマネジメント検討会議が事務局を担い、京の三条まちづくり協議会と共催、NPO法人京都景観フォーラムと協力して企画・運営を行っているものです(主催は三条通デザインワークショップ実行委員会、京都市が後援)。

本ワークショップの事務局を務めている谷川(景観設計学研究室D2)からDAY1-2の報告をいたします。

自由公募の結果、学生15名(京都大学7名、同志社女子大学4名、立命館大学2名、京都工芸繊維大学1名、早稲田大学1名)、U30社会人2名(中央復建コンサルタンツ株式会社1名、株式会社日建設計シビル1名)の参加となりました。事情により2名がオンライン参加となりました。

以下、プログラム順に経過の報告をいたします。

   

DAY1

山口先生からのオープニング宣言では、これまでの三条通での取組の延長として、U30メンバー・まちづくり協議会・景観エリアマネージャーをはじめ、DWS参加者全員のコラボレーションで三条通の将来像をつくりあげる、という今回のワークショップの趣旨が伝えられました。

京の三条まちづくり協議会 森本浩行会長からは、
「世界の範となる京都のシンボルストリート」を目指す、
と宣言いただき、三条通DWSのスタートが切られました。

   

次に、京の三条まちづくり協議会/GK京都 清水響さんから「京の三条まちづくり協議会の取組」と題して、三条通の歴史、京の三条まちづくり協議会の活動、三条通のコンセプトについて、お話をいただきました。「品格ある三条通を守り育てるための 6 つの心得」のご説明をいただき、重要な方向性が共有されました。

  

  

そこから、4チームに分かれ、まち歩きに出ます。京都景観エリアマネージャーの方々のご案内で、近代建築の魅力、これまでの景観協議等の取り組みの工夫、商業の状況、道の状況などを教えていただきながら歩きました。

まちあるきの様子

  

午後はひと・まち交流館に移動し、日本大学助教/一般社団法人ソトノバ共同代表理事・編集長 泉山塁威先生から、
「豊かな日常的な街路のためのアイデアとヒント」と題して、公共空間の活用の可能性についてレクチャーをいただきました。
メルボルンやサンフランシスコなどの事例から道路の性格に合わせたデザインの方法、まずやってみるDoerの存在、場を通じて人がつながる「プレイスキャピタル」の考え方、など豊かな場や関係性をつくるためのヒントが詰まったレクチャーでした。
プレイスから都市を考え、ヴィジョンから現在のアクションを戦略的に計画し、人の滞留を生み出すことがこの三条通DWSで求められるミッションであると改めて感じました。ディスカッションでは、山口先生と泉山先生をはじめ、会場やオンラインからも質問が飛び交い、活発な議論が行われました。

 

ワークショップが始まります。自己紹介と、事前に提出していただいていたアイデアシート、空間利用イメージ写真(街路以外に限る)をもとに、こんなことが三条通にしたいという想いを語っていただきました。チームには、三条通沿道住民の方や勤務の方にも参加していただき、自己紹介いただいたところで、一日目は終了となりました。
DAY3担当講師の岩瀬諒子先生にも終日ご参加いただきました!

 

   

DAY2

2日目は、山口先生のレクチャーからはじまります。「祝祭空間化する都市の公共空間」と題して、日本の道路空間再編事例の動き、海外の歩車共存道路整備に起きた「変革」の実態(デザインやその効果、空間像形成プロセス)、京の道と広場の歴史、についてご紹介いただきました。歩車の共存において、デザインの方法、アクティビティの多様性、プロセスデザインの方法、など論点がたくさんあり、どのような切り口で三条通をデザインするか、想像力が膨らむ刺激的なレクチャーでした。また、デザインの方法(プロセス)についてのレクチャーがあり、三条通りの「品格」を保ちながら、ハードとソフトの切り口をどう考えるか、非常に難しい課題が与えられたなと感じました。

  

その後、歩くまち京都の推進に、コンサルタントとして長年関わっておられる、中央復建コンサルタンツ株式会社の中矢さんから「歩くまち京都の過去と未来−京都都心部の交通と歩行環境」と題して、京都都心部の交通環境、京都市の交通まちづくり、三条通の歴史とまちづくりについてご発表いただきました。三条通の交通環境の分析の方法や交通施策について理解が深まり、大胆なアイデアに現実性を持たせるための考え方が示されました。

   

さていよいよ、グループワークです。まずは、可能性を探るためのブレインストーミングのため、A0の地図に可能性を自由にたくさん描くワークと、各班による発表が行われました。その後、地域資源の文脈を掘り下げる全体討議として、質問を受けた三条まちづくり協議会メンバーがそれぞれ、三条の魅力、生活の記憶、祇園祭の鷹山の復興の経過、みちづくりにかける想いなど、地域のみなさまの想いを共有しました。
最後は、みちづくりのテーマ、コンセプトを探るグループワークです。班ごとにディスカッションを行った後、コンセプトの発表を行いました。

  

講評の後のディスカッションでは、チームの提案をもとに、講師陣から4つのテーマが提示され、グループごとにどのテーマを選ぶかのディスカッションを再度行い、チームごとのメイン・テーマが決まりした。

Aチームはプログラム(時空間・プログラム)、Bチームはつながり(コミュニティ・商業飲食連携)、Cチームはシームレス(歩道・沿道空間)、Dチームは造形(ファニチャー・照明・緑)とぴったり一度で決定しました!
グループワークや講評では、白水靖郎氏(中央復建)、立命館大学の阿部俊彦先生からも非常にご示唆のあるコメントをいただきました。

最後にDAY3までの課題が示されました。このチームで案のブラッシュアップが行われます。次回以降に期待大です!

最後は、記念撮影を行いました。今回は、新型コロナウイルスの影響で、懇親会・交流会などが行うことができず残念でしたが、このWSをきっかけに交流が深まり、全体で一つの大きなヴィジョンが生まれると信じています!

まずは無事に三条デザイン・ワークショップのスタートを切ることができました。多大なる協力をいただいた、三条通プロジェクトメンバーの皆様、参加者の皆様、ありがとうございました。

谷川陸(三条通DWS事務局、景観設計学分野D2)