研究室NEWS

9月19-20日,2011 「日本景観」の原点を辿るワークショップ in 奈良

9月の19日から20日にかけて,山口先生の主催で,ワークショップが開催されました。
樋口忠彦先生(前京都大学教授,現広島工大教授)を講師にお招きして,古典的名著『景観の構造』や
『日本の景観』に書かれた舞台となる場所を実際に歩いて、現地で説明していただきました。
著書を読むだけではなかなか理解できない、あるいは理解しているつもりだった難しい部分を、
実際の空間体験と併せて新しい思考と身体感覚を養いました。

巡ったのは以下の通りです。
・恭仁京跡(山城国分寺跡)
・都祁水分神社
・都祁山口神社(小山戸)
・宇太水分神社(下井足)
・宇太水分神社(古市場)
・長谷寺(初瀬)
・三輪山、大神神社
・奥明日香、稲淵
・大和三山、甘樫丘
・慈光院

参加者は現役の研究室学生(片岡、木村、村上、高山、村尾、大川)でした。
山口先生、吉村先生、専門職社会人のOB(八木さん、飯田さん)の有志の方々もご一緒していただきました。

新旧の地形図を手にして地形や水の流れ、建物の立地などを観察し、解説をお聞きしながら、
「景観を読む」とはどういったことか、という思考を深めていくことができました。
貴重な経験をさせていただきました。

それだけではなく、僕の中では、人生的な部分も勉強になりました。

夕食の時間に、樋口先生が静かな声でなにげなくおっしゃられる一つ一つの言葉が
とても心に染みました。

(大川)

7月16日,2011 都市計画学会コンペティション入賞報告

このたび、日本都市計画学会、さいたま市主催の、「大宮駅東口地域:人の流れを生み出すおもてなし空間の創出」コンペティションに研究室の有志チームが入選、見事「優秀賞」を獲得致しました。

一次はパネルと梗概の審査であり、最終審査は「市民会館おおみや」にて1チーム10分のプレゼンテーション、質疑応答6分で計8チームで行われました。

詳細はこちらのページです。コンペのページURL→ http://www.cpij.or.jp/60th/competition.html

最優秀賞には一歩及びませんでしたが、他大学チームの密度の濃い様々なアイデアの提案を目の当たりにしたり、審査員の方々の鋭い質問や講評を頂き、我々がこれから先向き合っていくべき数多の課題と反省点を持ち帰ることができました。

 

 

11月に東京大学安田講堂にて表彰式があります。

研究室のグループワークで学んだことも糧にしながら、これからもひきつづき精進してまいります。

わっしょいわっしょい盛り上げて行きます。

 

【追記】

2011年11月18日の表彰式に出席してきました!

 

 

木村優介

片岡由香

大川雄三

沢一馬

中内和

4月25日,中日都市フォーラム


景観設計学分野の山口です。
先週、華僑大学が主催の中日都市フォーラムに参加、発表してきました。
「都市更新と歴史文化遺産」というテーマで、各地の都市遺産の保全や活用に取り組まれている専門家たちによる、各都市の都市計画・設計、建築資産の更新、歴史地区のパブリックスペースのデザインなど、多彩な事例報告をきくことができ、非常に勉強になりました。

現地視察でも、厦門や、近代の別荘地コロンス島などをめぐりました。
コロンス島は1902年に共同租界として定められ、今も日本・アメリカ・イギリス・スペインなど各国の領事館建造物が残されています。
日本の奈良時代にあたる時期に栄えた泉州は、多くの歴史的建造物が残っており、文化の香りのするまちです。歴史地区とその周辺における都市マスタープランも秀逸でした。計画という抽象的なものが、まちのアイデンティティをいかに形成するか、非常に勉強になりました。しかし、一方で多様性と対立性という課題もみえました。
また、一日は福建土楼をめぐりました。民族の歴史の結晶です。今も前近代的な生活を送る農民たちと、観光産業に移行した農民たち、農村の暮らしの連続性と非連続性、ならびに世界遺産選定の光と影を垣間見ました。

そして、最終日には厦門市の都市計画・設計の研究院を訪れました。
その都市形成力のスケール、速さ、強さ、精度、どれをとっても想像をこえて、カルチャーショックを受けて帰ってきました。
特に、高架BRTからの都市の眺め。圧巻でした。
日本でもがんばらないと。。。

(山口)